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(せ)カリスマ伝説 一

大学生は卒業して社会人になると、一時的にやる気が回復する。
この私でさえそうだったのだから、これは言い切って問題ない事実であろう。
やる気満々で本社における1ヶ月間の研修を終えた私は、無事実家から近い横浜支店に配属が決まり、
GW明けの職場に意気揚々と初出勤したのである。

****

「おい、この12万の請求は何だ!誤魔化してんじゃねえぞ!」

鬼のように極悪な顔つきをした人が、電話口に向かって怒鳴っている。

「おっ、新入生?営業の遠藤(仮)です、よろしく」

にこやかに挨拶してきた先輩の頬には一筋の傷。
終わった…短い社会人生活だった…。
建築系というとヤクザなイメージがないこともなかったが、ここまで本物じみているとは…。

この人たちが実はいい人たちであることは後から知ることになるのだが、初日は本当に怖かった。
そしてその電話口に怒鳴っていた鬼次長(仮)に「おい、お前は今日俺と現場巡りだ」と連れ出されたものだから、
その日は蛇に睨まれた蛙のような態度で1日を過ごした。

横浜支店はたまたま暇で進行中の現場がないとのことで、八王子営業所の管轄である国分寺の現場までひとっ走り。
しばらく現場を見学していると、鬼次長から現場所長に衝撃的な一言が発せられた。

「明日からお前の現場にこいつを置いてくからな」

えっ?ここ国分寺だぞ?大学があった吉祥寺でさえ遠すぎてほとほと嫌になったのに、そこから更に15分先だぞ?
恐る恐る「何時に現場入りすればいいですか?」と聞くと、「まあ8時半までに着けばいいよ」と非情な回答。
こうして私の3ヶ月にわたる5時半起き生活が始まった。

****

朝が早いのは辛かったが、国分寺での研修は思っていたよりかなりまともだった。
それもこれも、偏屈で難儀な性格だが仕事はできる現場所長のおかげだ。
実家暮らしで独身、八王子の山奥で仙人のような生活をしているらしい。
唯一の楽しみは飼っている兎の世話だとか。
敬意を込めて現場所長のことを兎仙人と呼ぶが、現場研修はほとんど直行直帰だし、
昼食は全部兎仙人が奢ってくれるし、国分寺での仕事はとても快適なものだった。
週に1回横浜支店に戻って書類を作るのがひどく面倒に思えるほどだった。

そしてこの頃から、横浜支店に帰る度に話しかけてくる1人の男の存在が気になり始めていた。
そう、毎回必ず「今日は定時ダッシュだぞ!」と熱く語りかけてくるあの男である…。

(続く)

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※この物語はフィクションだったりノンフィクションだったり、脚色を含んでいたりいなかったりします。

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ライブドアねとらじで不定期に放送中のラジオ「ふぉるすたーらじお」の面々による共同ブログです。

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